俺は成長するにつれて、何か大切なものを忘れていったのかもしれない。


ただ、確かめようにも忘れているのだから、思い出しようもない。


それでも、幼い頃の宝石のような日々が夢では無かったと知っていて、もう桜の咲く時期は終わったとしても、もう一度あの時に戻りたくなるのだ。


俺がアイツに出会ったのは、そんなときだった。