日付の変わる20分前。 お店の中に、グラスのぶつかり合う音色が響いた。 『篠崎さんは、よくこちらに?』 「今日初めてなんです」 誕生日だからと、ワインをあけてくれた彼ら。 少女ともう1人の彼は、途中から飲み比べを始めわんこ蕎麦のようにマスターから注がれるウォッカをストレートで飲み続けている。 『クドがご迷惑をおかけしませんでした?』 「いえ、私の方が迷惑かけてしまったようなもので…」 聞きたくもないだろう、こんな女の赤裸々告白に長時間付き合わせてしまったわけで…。