私に大いなる同情を!!

地球を滅亡させられる!

時間旅行ができる!

火炎放射で岩を溶かせる!

ゴキブリを300メートル先から射抜ける!

シュークリームのクリームを溢れ出さずに食べられる!

自己再生ができる!

DVDの予約操作だってできる!

人の頭に何本髪の毛があるかわかる!

ほかにもたくさんの特殊能力を持つのが、猪瀬蝶子さまなのです!!

わかっていただけました?

つまり、私はどうにかして、そんな化け物から逃亡しなければいけないのです。

けれど、会長はそんな私のタクティクスなんてお見通しなのか、私の顎の下に手を差し入れてクイと顔を上向けさせました。

いっ、いけません! 彼女の瞳を見てはっ!!

私はとっさのとっさに、もはや条件反射でまぶたを閉じました。