私に大いなる同情を!!

「あら、今度は眼力使わないから、私のこと見てちょうだいよ」

と、蝶子さまの声は優しく、どことなくさみしげになりました。

「凛が見てくんなきゃ、私、生きてけない」

ふん、嘘ばっかり。

「凛ちゃんがいなくっちゃ、私の存在意義なんてこの世界にはないのよっ!」

ばばっと両手を広げて十字架を真似した蝶子さまは、そして天を仰ぎます。

「……いっそ、自己爆発してやろうかしら」

なんて、冗談みたいにポツリと漏らした彼女――

『カウントスタート!』

「え?」

――の中からどうしてか聞こえたのは、電子チックな音声でした。

『10……9……8……』

「え、か、会長、これ、なんのカウントで……?」