私に大いなる同情を!!

そう、愛する彼のもとへ。

もうその胸へ飛び込んでいければ、なにも苦しくありません!

ああ今、私は会長の腕の中へ――

「ちょっとちょっとちょっと待てええええ!!」

と、私は直前で踏みとどまり、床をバンバンと踏み鳴らしました。

そして諸悪の根源へ向けて、ほかにだれもいやしませんが、それでも『犯人はお前だ!』とばかりに人差し指を向けます。

「だれが『俺』ですか!? っていうか今私になにをしましたか!? 男だったなんて、っつーかなんのマンガのギャグですか!?

 三秒前までの私は、私であって私ではなかったとここに主張する! 先程までの私は自己管理と責任能力を失った、私以外の私だったのだ――!!」

気分はどこか名弁護士か名検事。

小さな嘆息をつく音が、拍手の代わりにどこからか聞こえてくるような気さえします。

今、私もしかしてカッコいいですかっ!?