星の雫~超極秘のお姫様~

ひょいっと身軽にレオがエリザベスの背中から飛び降りた。

つられるようにして、あたしもエリザベスの背中から降りる。


「なんで・・・ウィレボから逸れたの?」

降りたあたしは、エリザベスの前に行き、さっそく聞いてみた。


《なんで?そんなことも分からないなんて、馬鹿ね。

言ったでしょう?前に、アタシは有名なんだって。ウィレボに行ったら、完璧バレるじゃない。

そもそも、アタシたち竜がウィレボの街を歩いたと想像してみなさい。
人の渋滞ができるでしょうが。

だから、アタシたちはココでひっそりと待つのよ。
ココから先はあんた達が歩いて行くの。》


面倒くさそうに説明したエリザベスの言葉に、あたしは頷いた。

・・・・・・・・・・確かに。


「丁寧な説明ありがとう。よく分かった。」


《どういたしまして。代金は、ウィレボの特産、木苺酒(キイチゴシュ)5樽でいいわよ。》


・・・・・・代金必要だったんだ・・・

軽くショックを受けつつも、あたしは頷きかけて・・・ハッとした。


「あたし、お金持ってない!!!」

なんたること!

今までずーっと城に缶詰状態だったから、お金なんて必要なかったし!
持ったことも無かったよ!


ど、どうしよう・・・



「リア様?お金ならありますよ。」

不安の黒雲が、もやもやと心のうちを支配し始めた時、一筋の光の声が聞こえた。


「シオッ!!!それはどういうこと!?」

バッと勢いよく声のした方・・・つまりは斜め右を振り返れば、シオが何か包みを持っていた。

荒い生地の、しっかりした布でできた巾着。


シオに駆け寄り、中を見せてもらったあたしは、目を見開いた。