星の雫~超極秘のお姫様~

「へぇ・・・見た目と違ってけっこう策略家なんだ?
おもしれー。」


「んー?なんのことかなぁ。」

瞳をキラキラさせてヒルゥを見るレオに、ヒルゥは可愛らしく首を傾げた。


か、可愛いっ!!!何この子!あたしより可愛いんだけど!と、もだえ始めたあたしを置き去りに、話は進んでいる様子。


「しらばっくれんなよー。」

「あはは。黙ってくんない?リーちゃんに誤解されちゃう。」


げしっ


「いてぇ!何も蹴ることねーじゃん!暴力反対!!!」

「ん?ごめんね、足が滑っちゃった☆」

「どう滑ったら俺の腹に直撃するんだよ!?」


ぎゃいぎゃいぎゃいぎゃい

・・・・・・あれ?話、進んでないような?
ただ喧嘩してるだけなような?

というかヒルゥ、笑顔が恐いぞ・・・。


「で?結局降りるのか?」

ぎゃいぎゃい騒いでいる2人の間にするりと入ったソウが、冷静に聞いた。


よくもまぁ、火花を散らしあっている2人の間で平静でいられること。

感心していれば、レオのあっさりとした答えが聞こえてきた。


「あぁ、降りる。今すぐ、な。」

レオのその声を待っていた、というかのように、即座にエリザベスが進行方向を変えた。

スッと、左に逸れてから、降下し始めたんだ。


目の前には、ウィレボのにぎやかな商店街ではなく・・・森、だった。

葉が落ち、寂しげに見える木、木、木、木・・・。


なんで?
なんで、逸れたの?


あたしが疑問に思った時にはすでに、エリザベスは地に足をつけていた。

すぐ後に、レイツェも無事着陸した。