『体育館の横でまっているから』


そう言われたことを思い出す。

もし、私が草野くんのところへ行かなかったら…?




もし、行かなかったら草野くんは…




でも、私は裕也が好きだ。



行かなくてもいいじゃないか…なんて、そんな風には思えない…。




私はまた裕也のときと同じように待たせてしまうの?






「あの、ちょっと約束があるから行ってくるね!戻ってくるから…!必ず…戻ってくるから」


強くそう決心して裕也に伝える。


「おう」


なにも知らない裕也はいつもどうりそう返してくれた。