少し歩き、ベンチで待たされている私。
「少しだけ待っててね」
とそう言って、望くんは人混みに消えてしまった。
出会ったばかりだから、もちろん望くんの番号や、メールアドレスはしらないし、連絡手段がないから、私はここで待つしかない。
さっきの質問…もし裕也がペラペラと喋っちゃうような人だったら…
裕也の前で何度か恥ずかしいことをしている手前、あまり聞きたくないような。
今の少しの間だったけど、望くんが良い人だということは伝わってきた。
格好は、少し怖くて苦手だけれどすっごく優しい。
そんな人だからこそ、裕也は話しやすくて、なんでも話しちゃってるんじゃないのかな…?
って、それは私か。
春奈やしゅんちゃんを信頼しているからこそ、つい喋ってしまう。
なんて考え込んでいたら、
「ゆあちゃん」
と望くんの声がした。

