あたしは教科書とにらめっこでノートに計算を書き写す。


勉強は苦手部類じゃないから、人並み以上にはできる自信ある!


「なーんかさ、やる気とか出なくない?」

「やる気?……あたしは、テスト終わったらのこと考えてやる気出してるね」

「ふーん……。羽音、賭けしていい?」

「賭け?どんなこと?」


あたしは首を傾げて聞く。


ぐいっと涼雅は身を乗り出して、あたしの耳元で囁いた。


「50番以内入ったら………キス以上のことさせて?」

「へ、へっ!?え、嘘でしょ!」

「言っとくけど俺本気だから。これで、やる気出るんだけどなぁ~」


既に勝ち誇った顔であたしを見つめる。


で、でも……これでやる気出るなら…!


「分かった。やる気出してくれるならね!」

「よしっ!成立。取り消しは通用しねぇから」


うちの学年は300人いるから、その中の50番以内はかなりすごい。


あたしでも最高15位だもん。