羽音が苦しそうにしてるから唇を離す。


念のため言葉でも言っておこう。


「俺のだから傷モノにすんな」


そのまま羽音の手を引っ張って保健室に連れてく。


保健の先生は職員室か……


せめて、ごめんの意味を込めて手当てしてやろ…。


「涼雅……なんであんな…不意討ちなことしたの?」

「ヤダった?」

「ううん…。守ってくれた気がした」

「ふーん……」


冷たく返事しながらも、傷の消毒して手当て完了。


羽音が座る長椅子の隣に座って小さい白い手を握る。


「気付いてやれなくてごめんな……。絶対守るから…」

「そんなっ、大丈夫だよ!」

「これからは、何でも俺に言うこと。隠し事は禁止な。約束」

「うん……。守ってもらうねっ、指切りしよ」


指切りをして約束した。


もう絶対に羽音にツライ思いさせねぇから。


だから俺がずっと側で守ってやる。