俺様の熟した恋の実~10years~




体育祭前日、いつも通り涼雅があたしを送ってくれる。


手を繋いで車道側歩いてくれるさりげない優しさが嬉しい。


「羽音さ……最近何かあった?」

「えっ、なんで?」

「いつもの羽音じゃない気がする。バカみたいに笑わねぇし」

「それってけなしてんの~!涼雅のバカ!」


いつもみたいに拗ねてみるけど、意地悪なこと言ってこない。


涼雅っぽくないの~……。


「無理して笑ってんじゃねぇよ。ツライなら話し聞く」

「優しいね……涼雅。だからモテるんだよ」

「お前にだけだから」

「でも、ツラくないから大丈夫。ありがとう」

「そっか……。ならいいけど」


変に勘づかないでよ…。


ほんとに困った時、優しくなる涼雅。


甘えそうになったじゃん。