体育祭前日、いつも通り涼雅があたしを送ってくれる。
手を繋いで車道側歩いてくれるさりげない優しさが嬉しい。
「羽音さ……最近何かあった?」
「えっ、なんで?」
「いつもの羽音じゃない気がする。バカみたいに笑わねぇし」
「それってけなしてんの~!涼雅のバカ!」
いつもみたいに拗ねてみるけど、意地悪なこと言ってこない。
涼雅っぽくないの~……。
「無理して笑ってんじゃねぇよ。ツライなら話し聞く」
「優しいね……涼雅。だからモテるんだよ」
「お前にだけだから」
「でも、ツラくないから大丈夫。ありがとう」
「そっか……。ならいいけど」
変に勘づかないでよ…。
ほんとに困った時、優しくなる涼雅。
甘えそうになったじゃん。

