俺様の熟した恋の実~10years~




【涼雅side】



今日一日中、羽音を独り占めできた。


俺だけの側にいてくれて満足。


晩飯を食べ終わった頃には、外は薄暗くなっていた。


危ないから駅まで羽音を送ってく。


「ごめんね。わざわざありがと」

「別にー。まっ、お前なら襲われる確率ねぇと思うけど」

「なにそれ!あたしだって女の子です~」

「だから、もしもの心配で送ってやる」

「ん。やっぱり優しい!」


バカみたいに笑って俺と繋いだ手を振り回す。


見た目大人っぽいのに、ガキくさいとこがかわいい。


俺、相当重症っぽい………。


「…涼雅、あたしのこと好き?」

「嫌い」

「ヒドッ!?今日はあんまり意地悪じゃないから言ってくれると思ったのにー!」


そんなに意地悪なことしてるか俺?


羽音のこと好きだから、イジメたくなるんだろうけど。