【涼雅side】
今日一日中、羽音を独り占めできた。
俺だけの側にいてくれて満足。
晩飯を食べ終わった頃には、外は薄暗くなっていた。
危ないから駅まで羽音を送ってく。
「ごめんね。わざわざありがと」
「別にー。まっ、お前なら襲われる確率ねぇと思うけど」
「なにそれ!あたしだって女の子です~」
「だから、もしもの心配で送ってやる」
「ん。やっぱり優しい!」
バカみたいに笑って俺と繋いだ手を振り回す。
見た目大人っぽいのに、ガキくさいとこがかわいい。
俺、相当重症っぽい………。
「…涼雅、あたしのこと好き?」
「嫌い」
「ヒドッ!?今日はあんまり意地悪じゃないから言ってくれると思ったのにー!」
そんなに意地悪なことしてるか俺?
羽音のこと好きだから、イジメたくなるんだろうけど。

