このまま時間が止まればいいのに。
なーんて初めて思った。
涼雅に抱きしめられてるこの時間が堪らなく好き。
「そうだっ!涼雅にもう一個誕生日プレゼントあげる!」
「なに?羽音とか?」
「先に言わないでよ~……」
「図星かっ。でも、もう羽音もらってるから十分だわ」
抱きしめる手に力が入った。
あたしは涼雅の手に自分の手を重ねてみる。
こんなに大きいんだね。
昔は同じくらいだったのに、今はあたしの方が小さい。
「涼雅の手……こんなにおっきくなったんだ」
「お前…手縮んだ?」
「縮むわけないでしょ!涼雅がおっきくなったのー」
「そーだな。お前は相変わらずちっさいし」
「一言多いなぁ~……」
誕生日だからって何でも許されるわけじゃないんだからねっ!
決して小さい方じゃないんだけど……。

