俺様の熟した恋の実~10years~




このまま時間が止まればいいのに。


なーんて初めて思った。


涼雅に抱きしめられてるこの時間が堪らなく好き。


「そうだっ!涼雅にもう一個誕生日プレゼントあげる!」

「なに?羽音とか?」

「先に言わないでよ~……」

「図星かっ。でも、もう羽音もらってるから十分だわ」


抱きしめる手に力が入った。


あたしは涼雅の手に自分の手を重ねてみる。


こんなに大きいんだね。


昔は同じくらいだったのに、今はあたしの方が小さい。



「涼雅の手……こんなにおっきくなったんだ」

「お前…手縮んだ?」

「縮むわけないでしょ!涼雅がおっきくなったのー」

「そーだな。お前は相変わらずちっさいし」

「一言多いなぁ~……」


誕生日だからって何でも許されるわけじゃないんだからねっ!


決して小さい方じゃないんだけど……。