俺様の熟した恋の実~10years~




声を押さえながら顔を両手で隠して、涙をポロポロ落とす。


そんな羽音をぎゅっと抱きしめて背中を擦る。


「ふっ…うっ…りょーがぁー……。おっ、怒んない?」

「そりゃあ俺だってキレる寸前」

「ごめんなさい……っ…」

「もういいから」


何度も何度も謝る羽音を見てると、辛くなるのは俺で……。


顔を涙でぐしゃぐしゃにして俺を見上げる。


そんな羽音の顔はとてもお世辞でも、かわいいって言えなくて、


「ははっ!羽音、すっげー顔!」

「ぐすっ……うっ……」

「ほら、鼻水ぐらい取れ」


小さく頷いた羽音の鼻にティッシュを当てると大人しくかむ。


「ありがと……」


目を真っ赤にして言うもんだから、許しちゃうじゃんよ。