俺様の熟した恋の実~10years~




友達の家で勉強会するって、すぐバレるような嘘をついた。


あとから後悔するのはあたしなのに。


車で約30分、独り暮らしの大きな高層マンションに着いた。


「お~……高いね!」

「ははっ!高いよな~。でも俺の部屋3階だから期待すんな」

「えー……」


膨れるあたしの頬をつまんで、困ったように笑う裕紀くん。


エレベーターで3階に行き、裕紀くんの部屋に入れば想像通りムダのない部屋。


必要最低限の家具しか置いてない。


あとは大学の資料かな?



「大人っぽ~い!ひろーい!」

「騒ぐ暇なんてねぇぞ!勉強だ!勉強!」

「ちょっとくらい許してよ~」

「ほら、数学の教科書ひーらーけー!」


嫌々、教科書を開くと早速あたしの大嫌いな計算。


だけど思ってた以上に簡単?


分からないところを優しく丁寧に教えてくれる裕紀くんはまさに先生!