【羽音side】
‘’アイツんとこいっちまえ‘’
涼雅のあの言葉……たった一言があたしを何日も悩ませる。
消したくても消えてくれない……。
ほんとは「ごめんね」とか気の効いた言葉を涼雅に言いたかったんだよ?
でも、これも全部素直になれなかった仕打ち。
「はぁ~……」
「どうしたの?羽音……元気ないね?」
あたしの顔を覗き込み心配した面持ちの雪花ちゃん。
昼休みお弁当を食べながら、一人で感傷に浸ってしまう。
「あたしのせいでね、涼雅を傷つけちゃった……。ははっ、バカなことしたよね~」
「何があったか知らないけど、ため息つきすぎよ」
「……あたしが悪いの……」
涼雅は悪くない。

