でも、まだどこか残るモヤモヤした気持ちを抱えながらギュッとリビングのドアノブを握った。
もしかしたら、羽音が帰って来ているかもしれない。
そしたらー………ちゃんと謝ろう。
それが彼氏の俺としてできること。
深呼吸をしてドアを開けると同時に聞こえてきたスズの笑い声。
「あっ、涼雅おかえり~。あれが、あたしのお兄ちゃん!」
「えっ~!凉菜のお兄ちゃんカッコイイ♪」
「ヤバイ!ヤバイ!」
キャーキャー騒ぐ女の子が3人ほど。
スズの高校の友達が来てた。
はぁ~……とため息をつきながら、静かにドアを閉める。
2階に上がって部屋へ入ると、制服のまんまベッドにダイブ。
ん~……なんかすっげー疲れたし………。
「ねみー………」
うとうとしかけたとこで、隣の部屋からゴトゴト物音がする。
あ………羽音帰って、来た?

