【涼雅side】
実際、今の羽音には頼るヤツは俺しかいない。
俺がアイツのケータイ探してやる。
授業が始まる前、クラスを素通りするところを咲夜に捕まった。
「おっ!サボりすんの!?」
「サボりじゃねーよ。あ、咲夜!お前どーせ暇だろ?」
「やっ、俺これから女の子との約束がぁー……」
「探し物手伝えよ」
めんどくさそうな咲夜を連れて、体育館までやって来た。
体育の授業はしてないと……。
「なに探してんだ?」
「羽音のケータイ。アイツケータイ無くしたんだと」
「ケータイ無くすって、羽音ちゃん天然?」
「アイツは割りと天然だ」
「お前の彼女候補だもんなっ!探すの手伝うわ!」
候補って文字が邪魔だけどな。
体育館をくまなく探す。
更衣室は鍵がかかって入れねーし。
つーか俺らが女子更衣室入ったら怪しまれるだろ?

