【羽音side】



高校3年生になったばかりのあたし。


薄暗い空と春風があたしを包み込む中、駅前のレストランへ入った。


「あ、来た~!羽音、こっちこっち!」

「ママ、友紀さん。久しぶり」

「久しぶりだね、羽音ちゃん」


テンションの高いママと優しく笑う友紀さん。


あたしがママの隣に座ると………


ん?


誰……この人……?



「あぁ、紹介し忘れてたね。息子の……羽音ちゃんのお兄ちゃんになるのかな?」

「え……へっ?お兄ちゃん?」

「も~羽音戸惑ってるじゃない。悪いけど自己紹介してくれる?」

「あ……はい、全然」


バッと目の前の男性を見ると、大人びた顔からしてあたしより年上……


スッキリと整った顔立ちで、限りなくイケメン。


こんなイケメンがあたしのお兄ちゃん!?