俺様の熟した恋の実~10years~




「北岡雪花さん。まだまだ未熟でバカな俺だけど……結婚して下さい」


穏やかに吹く春風が、あたし達の横を通り過ぎる。


雪花ちゃんの黒髪はその風になびいて、涙をためた目を見せた。


「……はい。よろしくお願いします…!」


笑顔とともに溢れた涙は、今までにない喜びの涙。


初めてこんなに大勢の前で見せた雪花ちゃんの涙は、すごくキレイだった。



「ヤバイ……すっげー嬉しい…。俺、絶対にせっちゃんのこと幸せにするからな?」

「当たり前よ。浮気とか絶対に許さないんだからっ」

「俺はせっちゃんに一途。浮気とかしたことねぇし!」

「あたしも……カイに一途だから…」


微笑ましい二人を見てると、あたしまで嬉しくなって……


涼雅と笑いあった。