俺様の熟した恋の実~10years~




【羽音side】



卒業式が終わり、しんみりとした空気の放課後。


涼雅からの伝言で『カイさんが屋上に来いって』とゆうことを聞いた。


雪花ちゃんとあたしが屋上へ行くと春風が吹く寒空の下、涼雅と咲夜くんに未空がフェンスに寄りかかってた。


「あれ?カイさんはまだ?」

「あぁ。主役は最後みたいだな」


フェンスに寄り掛かる涼雅の隣に行くと、キレイに桜が咲いている。


あ、やっと満開になってるね。



「ったく何考えてんのよ……。明日から仕事入ってるのに風邪引く……」

「まぁまぁ雪花ちゃん!カイさんには考えがあるんじゃない?」

「あのバカのことよ……。大体は想像つくわ」


ふんっとイライラしてる雪花ちゃん。


あたしもそろそろ寒いです、カイさん。