紅白の垂れ幕と、どこかで聴いたことあるようなクラシック。
卒業式はゆっくりと流れてく。
やっぱカイさん背高いなぁ~……。
俺らの席からはちょうどカイさんの背中が見えた。
「やっぱカイさんカッコイイわ……。俺抜けない」
「咲夜が泣きそうとか珍しい」
「俺だって泣くんだよ……!」
「明日は雨……いや、雪降るんじゃね?」
「うるせー」と力なく言って目をゴシゴシ擦る。
意外と咲夜は友達想いだから、かなり涙もろい。
ずっと俺の隣で鼻をすする音が聞こえた。
隣の隣のクラスの雪花を見ると、相変わらず無関心そうなポーカーフェイス。
内心すっげー悲しくてたまらないんだろうな。
羽音は切なそうな顔をしてジーっとカイさんの背中を見ていた。

