俺様の熟した恋の実~10years~




花を持ったカイさんは、モデルみたいでなかなか様になってる。


男の俺でもカッコイイって思うほど。


「これ家帰ったらせっちゃんにあげよ」

「ん。二人で花持ってたら様になるからいいと思う」

「はははっ!マジで?これでやっと学業より完全に仕事優先だな」


花を持ちながら切なげに笑った。


雪花といられる時間も減っちゃうんだろうな……。


俺は羽音との時間が減るなんて考えただけで、イライラするし。


「あっ、そうだ!涼雅に頼み事していい?」

「頼み事?なに?」

「そんなめんどいことじゃねぇからさっ♪」


カイさんに耳打ちされたことをしっかり頭に刻む。


「分かった……。言っとくわ」

「頼んだ!」