俺様の熟した恋の実~10years~




恥ずかしいけど、涼雅の側から離れたくなくて手を回して抱きつく。


ドキドキ……静かにしてると涼雅の心音が優しくあたしの耳に伝わる。


「どしたの?いきなり静かになって」

「ううん……。涼雅がドキドキしてる…」

「好きなヤツが腕ん中にいて、ドキドキしないヤツいねぇと思う……」

「へへっ…嬉しい、かも」


ぎゅうっと力を込めて抱きつくと、空いている右手であたしを抱き返してくれた。


あったかい……。


こんなに優しい涼雅にどれだけ助けられただろう。


幼稚園の時からずっとそう。


あたしは涼雅に助けられてばっかだよね。



「ねぇ~……涼雅…?」

「ん?」

「好き。……大好き」

「なに?襲われたいの?」


その瞬間、涼雅はあたしの唇にキスをした。


「いやっ……違っ……!」