【羽音side】 どうしよう…。 あたしほんとにバカだよね……。 ケータイ無くしちゃった上に無くした場所を覚えてないなんて……。 迷惑かけたくない涼雅に、迷惑かけちゃう。 あたしを教室まで送ってくれた涼雅の優しさが痛いほど染みる。 「不安そうな顔すんなって。バカみたいに笑ってろ」 「うん……。誰かに盗まれてたらどうしよう!」 「そん時はそん時でまた考えればいいじゃん。早く行けって」 そう言ってあたしの背中をトン、と押す。 不安だけど涼雅を信じる。 絶対に見付けるんだから!