店先の古びた木製のベンチで、満足そうに饅頭を頬張る羽音。
この顔見てたら何でも許す俺もバカなんだよなぁ~……。
きっと、俺は羽音のこと………
「甘やかしすぎた」
「え?何が?」
「いや、別にー。うまい?」
「美味しい♪涼雅もどーぞっ」
「どーも」
羽音が一個、俺の手の上に乗せた。
うん、確かにうまい。
だけど手のひらサイズの饅頭を少なくとも5個以上食う羽音はすごいな。
「……いつの間にか雪…やんじゃったね」
「ずっと降ってても寒いからいいだろ」
「あたしはー……もっと雪見たかったなぁ」
「また降るって」
「うん」と羽音は頷いて、また饅頭をパクパク食べる。
雪はなくても寒さは健在なんで、早くホテル行きたいんだけど……。

