俺様の熟した恋の実~10years~




店先の古びた木製のベンチで、満足そうに饅頭を頬張る羽音。


この顔見てたら何でも許す俺もバカなんだよなぁ~……。


きっと、俺は羽音のこと………


「甘やかしすぎた」

「え?何が?」

「いや、別にー。うまい?」

「美味しい♪涼雅もどーぞっ」

「どーも」


羽音が一個、俺の手の上に乗せた。


うん、確かにうまい。


だけど手のひらサイズの饅頭を少なくとも5個以上食う羽音はすごいな。



「……いつの間にか雪…やんじゃったね」

「ずっと降ってても寒いからいいだろ」

「あたしはー……もっと雪見たかったなぁ」

「また降るって」


「うん」と羽音は頷いて、また饅頭をパクパク食べる。


雪はなくても寒さは健在なんで、早くホテル行きたいんだけど……。