グラスをジーッと眺めてから、奥に手を伸ばしてグラスを一つ一つ見ていく羽音。
「何探してんの?」
「これと同じ柄のグラスがほしいの……」
「同じ柄……なくね?全部彫ってあるの違うし…」
「涼雅とお揃いで使いたいからっ」
探しても見つからないグラス。
似たような柄ならあるけど、全く同じモノはない。
「このクラゲとか…金魚とか、かわいいのに…」
へこむ羽音を見てるとほっとけなくて、他のグラスを探す。
あ………このグラスいいかも。
「羽音、おいで?このグラスじゃダメか?」
「イルカ?……あっ!かわいい~♪これほしい!」
「じゃあ決定。これで俺と羽音でお揃いじゃん」
「うん!よかったぁ~」
羽音に買ったのは、ピンクのイルカが付いたグラス。
俺のは水色で、グラス同士をくっつけたらイルカがハート型になる。

