俺様の熟した恋の実~10years~




グラスをジーッと眺めてから、奥に手を伸ばしてグラスを一つ一つ見ていく羽音。


「何探してんの?」

「これと同じ柄のグラスがほしいの……」

「同じ柄……なくね?全部彫ってあるの違うし…」

「涼雅とお揃いで使いたいからっ」


探しても見つからないグラス。


似たような柄ならあるけど、全く同じモノはない。


「このクラゲとか…金魚とか、かわいいのに…」


へこむ羽音を見てるとほっとけなくて、他のグラスを探す。


あ………このグラスいいかも。


「羽音、おいで?このグラスじゃダメか?」

「イルカ?……あっ!かわいい~♪これほしい!」

「じゃあ決定。これで俺と羽音でお揃いじゃん」

「うん!よかったぁ~」


羽音に買ったのは、ピンクのイルカが付いたグラス。


俺のは水色で、グラス同士をくっつけたらイルカがハート型になる。