いくら探しても意地悪なことにケータイは見つからない。
鳴らして探すっても、羽音の連絡先を知らない。
「ケータイ交換してる友達いねーの?」
「えっと……未空、だけ…」
「分かった。あとー……移動教室した?」
「した!体育館と音楽室。それから、物理室」
「多いな……」
肝心な未空ちゃんは学校休み……。
キーンコーンカーンコーンー………
イタズラに昼休み終了のチャイムまで鳴った。
「どうしよう……。昼休み終わっちゃった……あたしっ…ほんっとにバカ!」
「ほんとバカだな。そんなバカには俺が必要だろ?」
「ごめん……ほんとにごめんね…頼る…」
「いいから。放課後探すぞ」
指が震える羽音を教室まで送って、安心させる。
さーて………どーすっかなぁ。
早めにケータイ見つけて安心させたい。

