俺様の熟した恋の実~10years~




いくら探しても意地悪なことにケータイは見つからない。


鳴らして探すっても、羽音の連絡先を知らない。


「ケータイ交換してる友達いねーの?」

「えっと……未空、だけ…」

「分かった。あとー……移動教室した?」

「した!体育館と音楽室。それから、物理室」

「多いな……」


肝心な未空ちゃんは学校休み……。


キーンコーンカーンコーンー………


イタズラに昼休み終了のチャイムまで鳴った。


「どうしよう……。昼休み終わっちゃった……あたしっ…ほんっとにバカ!」

「ほんとバカだな。そんなバカには俺が必要だろ?」

「ごめん……ほんとにごめんね…頼る…」

「いいから。放課後探すぞ」


指が震える羽音を教室まで送って、安心させる。


さーて………どーすっかなぁ。


早めにケータイ見つけて安心させたい。