昼休み一緒にいて相変わらず食べるの遅い。
笑った顔がかわいすぎて俺は目を逸らす。
コイツ絶対少し天然入ってるよな……。
やっと食べ終わってから、ゴソゴソと制服のポケットやらを触り出した羽音。
「なにしてんの?」
「どうしよ…。ケータイなくした、かも……」
「はぁ!?お前ほんとバカじゃない?」
「うっ~……ごっ、ごめんなさいぃ~!」
泣きそうな顔して俺の顔色を伺う。
いや、お前がケータイ無くしても俺には関係ねーよ。
でも、そんな顔されたら黙ってらんないじゃん。
「泣くなって……。羽音歳いくつだ?そんな小さくないだろ?」
「うっ、う``ん…。15歳……」
「はぁ~……とりあえず、ここ探すぞ」
「うっ、ふっ、ふぇ……どうしよっ…あたしっ……バカ…」
「ほら!いいから泣くな。泣いてる暇あんなら探す」
俺が羽音の小さな背中を擦ると、だんだん泣き止む。
目をゴシゴシ擦って、その手を握りながら軽く抱きしめた。
やっと大人しくなった………。

