俺様の熟した恋の実~10years~




昼休み一緒にいて相変わらず食べるの遅い。


笑った顔がかわいすぎて俺は目を逸らす。


コイツ絶対少し天然入ってるよな……。


やっと食べ終わってから、ゴソゴソと制服のポケットやらを触り出した羽音。


「なにしてんの?」

「どうしよ…。ケータイなくした、かも……」

「はぁ!?お前ほんとバカじゃない?」

「うっ~……ごっ、ごめんなさいぃ~!」


泣きそうな顔して俺の顔色を伺う。


いや、お前がケータイ無くしても俺には関係ねーよ。


でも、そんな顔されたら黙ってらんないじゃん。


「泣くなって……。羽音歳いくつだ?そんな小さくないだろ?」

「うっ、う``ん…。15歳……」

「はぁ~……とりあえず、ここ探すぞ」

「うっ、ふっ、ふぇ……どうしよっ…あたしっ……バカ…」

「ほら!いいから泣くな。泣いてる暇あんなら探す」


俺が羽音の小さな背中を擦ると、だんだん泣き止む。


目をゴシゴシ擦って、その手を握りながら軽く抱きしめた。


やっと大人しくなった………。