キレイな秋晴れの土曜日。
あたしは、大きなバッグに荷物をまとめて涼雅の家に来た。
「そのっ……今日からよろしくお願いします!」
「まぁ♪ほんとに、かわいいんだから羽音ちゃーん!」
「これから羽音ちゃんと住むの!?やったー♪」
「涼雅、こんなにいい子に迷惑かけるんじゃないぞ?」
先に事情を話してくれた涼雅のおかげで、あたしは受け入れてもらえた。
涼雅のママとパパ。
それから凉菜ちゃんが温かく迎えてくれる。
「ここ空き部屋だから自由に使って?」
「うん。前のあたしの部屋より広い!」
「でも、拠点は俺の部屋だから」
「え!?」
「家主の言うこと厳守」
相変わらず意地悪な涼雅だけど……。
どこか冷えてた心が、あったかくなったのは紛れもなく涼雅のおかげ。

