俺様の熟した恋の実~10years~




キレイな秋晴れの土曜日。


あたしは、大きなバッグに荷物をまとめて涼雅の家に来た。


「そのっ……今日からよろしくお願いします!」

「まぁ♪ほんとに、かわいいんだから羽音ちゃーん!」

「これから羽音ちゃんと住むの!?やったー♪」

「涼雅、こんなにいい子に迷惑かけるんじゃないぞ?」


先に事情を話してくれた涼雅のおかげで、あたしは受け入れてもらえた。


涼雅のママとパパ。


それから凉菜ちゃんが温かく迎えてくれる。



「ここ空き部屋だから自由に使って?」

「うん。前のあたしの部屋より広い!」

「でも、拠点は俺の部屋だから」

「え!?」

「家主の言うこと厳守」


相変わらず意地悪な涼雅だけど……。


どこか冷えてた心が、あったかくなったのは紛れもなく涼雅のおかげ。