レストラン内をキョロキョロ見渡すと、ママが大きく手を振った。
いつもよりオシャレ。
「すいません……遅れて…」
「まぁまぁ、羽音座りなさいよ♪」
あたしはママの隣に座って初めて、相手の顔を見る。
あ………
どことなく『パパ』に似てる新しい『お父さん』。
「初めまして、羽音ちゃん。松崎友紀(Mathuzaki Tomoki)です。よろしくね?」
「あ……よ、よろしくお願いします…」
「ほんとごめんね~!この子すごい人見知りなのー」
「大丈夫。ちなみに大学生の息子が一人いるよ。あと~…ママとは同い年!」
「そうなんですか…。お若いですねっ」
気の効いたこと何も言えない。
それでも、友紀さんは優しくあたしの目を見て話してくれる。
ママが好きになった理由少しは分かったよ。

