俺様の熟した恋の実~10years~




レストラン内をキョロキョロ見渡すと、ママが大きく手を振った。


いつもよりオシャレ。


「すいません……遅れて…」

「まぁまぁ、羽音座りなさいよ♪」


あたしはママの隣に座って初めて、相手の顔を見る。


あ………


どことなく『パパ』に似てる新しい『お父さん』。


「初めまして、羽音ちゃん。松崎友紀(Mathuzaki Tomoki)です。よろしくね?」

「あ……よ、よろしくお願いします…」

「ほんとごめんね~!この子すごい人見知りなのー」

「大丈夫。ちなみに大学生の息子が一人いるよ。あと~…ママとは同い年!」

「そうなんですか…。お若いですねっ」


気の効いたこと何も言えない。


それでも、友紀さんは優しくあたしの目を見て話してくれる。


ママが好きになった理由少しは分かったよ。