俺様の熟した恋の実~10years~




不機嫌そうな顔をしてあたしに言う。


「涼雅って呼んで。てか、呼べ」

「りょ、涼雅!」

「それでよし。くん付けしたら罰ゲームな」

「えっ!そ、それはヤダ~…!」

「じゃあ呼び捨てにすること!」


満足そうに笑う涼雅くん…じゃなくて涼雅にドキッとする。


あんなに人気者で有名な涼雅と二人っきりで昼休みを過ごす。


涼雅ファンの子達にしたら、あたしがすっごく羨ましいんだろうなぁ~……。



「涼雅はモテモテだね。羨ましい!」

「だろ。モテない羽音にしたら羨ましいだろうなっ!」

「こんな意地悪な人のどこがいいんだろ?」

「まぁ~……自分で言うのもアレだけど…顔、じゃね?」

「自覚済みじゃーん。あたしもかわいくなりたい!」

「顔だけで好きって言われんのも、ツライぞ」


涼雅らしくない切ない笑顔を見せた。


そうだよね……やっぱり外見だけじゃなくて、中身だって見てほしい。


あたしも外見だけはヤダな…。