不機嫌そうな顔をしてあたしに言う。
「涼雅って呼んで。てか、呼べ」
「りょ、涼雅!」
「それでよし。くん付けしたら罰ゲームな」
「えっ!そ、それはヤダ~…!」
「じゃあ呼び捨てにすること!」
満足そうに笑う涼雅くん…じゃなくて涼雅にドキッとする。
あんなに人気者で有名な涼雅と二人っきりで昼休みを過ごす。
涼雅ファンの子達にしたら、あたしがすっごく羨ましいんだろうなぁ~……。
「涼雅はモテモテだね。羨ましい!」
「だろ。モテない羽音にしたら羨ましいだろうなっ!」
「こんな意地悪な人のどこがいいんだろ?」
「まぁ~……自分で言うのもアレだけど…顔、じゃね?」
「自覚済みじゃーん。あたしもかわいくなりたい!」
「顔だけで好きって言われんのも、ツライぞ」
涼雅らしくない切ない笑顔を見せた。
そうだよね……やっぱり外見だけじゃなくて、中身だって見てほしい。
あたしも外見だけはヤダな…。

