俺様の熟した恋の実~10years~




俺から目を逸らして窓の外を向く。


いつからこんな生意気になったんだよ!


結局、膨れてる羽音に俺が折れて話す。


「……アイツに宣戦布告された。体育祭でサッカー対決しろって」

「へ?煌也くんに?……なんで!?」

「お前のこと好きなんだって。で、勝った方が羽音の男になる……物好きもいるんだな」

「失礼なっ!あたしだってモテるもん!」


だから俺、すげー焦ってる。


いつか羽音が他の男んとこ行くんじゃねーかって。


こんなこと羽音には直接言わない……ってか言えない。


「羽音が人並みにモテるっつーことは分かったわ」

「涼雅は……あたしが他の人のモノになったら嫌じゃないの…?」

「なに泣きそうになってんだよ……」

「あたしはっ……涼雅がいなくなったらヤダな…」


意地っ張りになってみたり、涙目になったり忙しいヤツ。


ほんと、ほっとけない……。


俺が羽音の側にいてやんねーと。