桜井煌也は文武両道で確かにイケメンだ。
女子からの支持率もそこそこ高いらしい……。
そんなヤツでも羽音だけは渡したくねぇ…。
「あ、サッカー対決不利ならバスケでもいいよ?」
「不利?誰がそんなこと言った。お前に負けて羽音渡すようなことしねぇよ」
「へ~………自信たっぷりじゃん!主将としてやりがいあるわ!」
「その鼻っぱし折ってやる!」
「よく言うなっ!」
コイツとことん腹立つ!
つーか、羽音もなんでこんな厄介なヤツと知り合いになってんの?
いつ、どこで?
いつもより速足で図書室に行った。
「もー涼雅!遅いよぉ……」
「は?俺に文句言うのはどの口?」
「いーたーいー!もう、何なのいきなり!?」
羽音の頬をむぎゅっとつまんで離す。
何なのって………言いたいのはこっち。
「桜井煌也。この名前聞き覚えあるよな?」
「煌也くん……サッカー部キャプテンの子だよね」
「あぁ。いつコイツと関わった?」
「そんなこと涼雅に関係ないじゃん……。あたしが誰と友達とか……」
いじけて言わない羽音にイライラする。

