俺様の熟した恋の実~10years~




桜井煌也は文武両道で確かにイケメンだ。


女子からの支持率もそこそこ高いらしい……。


そんなヤツでも羽音だけは渡したくねぇ…。


「あ、サッカー対決不利ならバスケでもいいよ?」

「不利?誰がそんなこと言った。お前に負けて羽音渡すようなことしねぇよ」

「へ~………自信たっぷりじゃん!主将としてやりがいあるわ!」

「その鼻っぱし折ってやる!」

「よく言うなっ!」


コイツとことん腹立つ!


つーか、羽音もなんでこんな厄介なヤツと知り合いになってんの?


いつ、どこで?


いつもより速足で図書室に行った。



「もー涼雅!遅いよぉ……」

「は?俺に文句言うのはどの口?」

「いーたーいー!もう、何なのいきなり!?」


羽音の頬をむぎゅっとつまんで離す。


何なのって………言いたいのはこっち。


「桜井煌也。この名前聞き覚えあるよな?」

「煌也くん……サッカー部キャプテンの子だよね」

「あぁ。いつコイツと関わった?」

「そんなこと涼雅に関係ないじゃん……。あたしが誰と友達とか……」


いじけて言わない羽音にイライラする。