俺様の熟した恋の実~10years~




久しぶりに一人で帰るかも……。


こんなに心細かったっけ?


玄関から校門への道を歩いていると、グラウンド方面から一人の男の子が走って来た。


サッカーのユニフォームを来てる。


「ちょっとごめん!絆創膏持ってたりする!?」

「絆創膏?……あ、はい。どうぞ」

「ありがとー♪助かる!」


くしゃっと笑った顔はすごく整ってって……


無造作な黒髪に程よく日に焼けた肌。


背も高い……。


その顔に魅了されてたあたしはハッと我に返り、脚を見ると膝が血だらけ!!


「絆創膏の前に一回水で洗った方が!」

「俺すぐ練習戻んなきゃないんだよなぁ~」

「でも、菌が入ったら悪化しちゃうから…」

「分かった!水道で洗って来る!あ、ついて来てもらっていい?」


結局、名前も知らないケガしてる男の子の後ろをついて歩いてグラウンドへ来た。


体育以外で初めて来た……。


広いグラウンドでは、サッカー部がみんな泥だらけになって走ってる。