俺様の熟した恋の実~10years~




放課後、やっと女子達の嫌味地獄から抜け出せるー……。


雪花ちゃんと玄関へ行くと、何だか嫌な予感……。


靴箱が何もされてない訳がない。


「はぁ~……幼稚」

「ほんとだよね。あたしもされてたなぁ」

「去年の体育祭の時だっけ?もう大丈夫?」

「うん!おかげさまで!」

「それは良かった」


靴箱からも出てくる手紙の山。


ファンレターなんていいモノじゃなくて、嫉妬の手紙。


「じゃっ、あたし帰るね。また明日」

「雪花ちゃん!途中まででも一緒に……」

「彼氏との時間を大切にしないとダメ。ね?」

「……分かった…」


その言葉が痛いほど染みた。


あたしは結局、雪花ちゃんの背中を見ることしかできなかった……。