何だか今の雪花ちゃんを一人にしたくなくて……
後ろの席まであたしは来た。
あたしも頑張って笑顔を作る。
「かなり授業進んじゃってさぁ~!あ、ノート見せる?」
「じゃあ、お願いしようかな。ありがとう」
「数学とか難しくて困っちゃうよ~ほんと」
「今の範囲難しすぎるもんね」
力無く笑う雪花ちゃんは無理してる。
あたしの前でまで無理……してほしくないのに。
机の中から雪花ちゃんはたまったプリントを出す。
それと同時にノートの切れ端に書かれた心ない言葉の手紙も出てくる。
「別れろ」「男たらし」「消えろ」
「全く……くだらないことするんだね」
「……そう、だね…。貸して!あたし捨ててくる!」
「いい。あたしが捨てるから。チャイム鳴るから席戻りな」
「あー……うん…。そうだね」
顔色一つ変えないで立ってるあたしを見上げた。
強いって言うより………
自分の感情をしまい込みすぎ。

