俺様の熟した恋の実~10years~




何だか今の雪花ちゃんを一人にしたくなくて……


後ろの席まであたしは来た。


あたしも頑張って笑顔を作る。


「かなり授業進んじゃってさぁ~!あ、ノート見せる?」

「じゃあ、お願いしようかな。ありがとう」

「数学とか難しくて困っちゃうよ~ほんと」

「今の範囲難しすぎるもんね」


力無く笑う雪花ちゃんは無理してる。


あたしの前でまで無理……してほしくないのに。


机の中から雪花ちゃんはたまったプリントを出す。


それと同時にノートの切れ端に書かれた心ない言葉の手紙も出てくる。


「別れろ」「男たらし」「消えろ」


「全く……くだらないことするんだね」

「……そう、だね…。貸して!あたし捨ててくる!」

「いい。あたしが捨てるから。チャイム鳴るから席戻りな」

「あー……うん…。そうだね」


顔色一つ変えないで立ってるあたしを見上げた。


強いって言うより………


自分の感情をしまい込みすぎ。