俺様の熟した恋の実~10years~




【羽音side】



朝のうるさい教室で一人ボケーっとする。


雪花ちゃんいつになったら学校来るの?


辞めちゃったりしないよね?


「……おはよう、羽音」

「えっ、あっ、おはよー。……って雪花ちゃん!?」

「久しぶり。一人にしちゃってごめんね?」

「ううん!あたしは大丈夫!雪花ちゃんはっ………」


2週間振りに学校へ来た雪花ちゃんは、見て分かるほど痩せてた。


元から細いからもうガリガリ……。


「そのっ……雪花ちゃん、大丈夫?」

「……週刊誌のこと言ってるの?」

「う、うん…。だって心配だから…」

「その話ダメ。学校でまで考えたくないわ」


長い艶のある黒髪をなびかせて、後ろの席に行ってしまった。


相変わらず雪花ちゃんは強がりすぎ。