俺様の熟した恋の実~10years~




咲夜が出てって静かになった個室。


カイさんが水を一口飲んでから俺に話した。


「涼雅。雪花と仲良くしてくれてありがとな」

「えっ?いきなりなんで?」

「いやーっ!なんか言いたくなって。羽音ちゃんと涼雅には感謝してるよ」

「俺らなんかしたかな……。つーか俺の方が雪花に感謝してる」

「うちの雪花が、人のために何かしたの!?」


あれは確かよく晴れてた秋だった。


ちょうど、俺と羽音が付き合い出して2ヶ月くらいの時。



「羽音がイジメられてたの助けてくれたのが雪花だから」

「それは褒めてやんねーとな!でも困ってる人助けんのって当たり前じゃん?」

「でもアイツはすごい。女子全員敵に回してでも助けた……羽音がなつくはずだよな」

「ちょうどその時期かな?雪花、友達できたーって喜んでたんだよ」


実際、雪花はあんまり感情を表に出さない。


喜んでるのか悲しいのかよく分かんねぇけど、喜んでたら何より。