俺様の熟した恋の実~10years~




あの人見知りで群れが嫌いな、猫みたいな雪花が惚れた理由が分かる。


「あのさー…ここだけの話し、二人誘ったの作戦なんだよね」

「作戦!?どーゆうこと?」

「俺最近さ、パパラッチに追われてる気がして」

「追われてんなら家で大人しくしてた方が、いんじゃない?」

「あえて、男友達と遊んで彼女いないアピール的な?」


随分、軽い言い方だけどカイさんなりに考えたんだろ。


正直この人は、頭いいのかバカなのかよく分かんない。



テーブルに置いてあった咲夜のケータイが鳴った。


「あっ、事務所からだ……。ちょっと抜ける!」

「早く戻って来ないと俺と涼雅で食べちゃうぞ~♪」

「それだけはダメ!絶対に!」

「つーか、二人でこの量はキツイから!」


部屋を出た咲夜と、取り残された俺とカイさん。


こんな時にまともな話しも思い付かない……。