俺様の熟した恋の実~10years~




「すっげー……高そう…」

「俺、仕事でもこんなとこ来たことねぇ…」


個室の店内に、オシャレな照明。


ふわふわした座り心地いい黒のソファーに、どっかの国の置物。


いかにも高級焼き肉店!


こんなとこに制服着た高校生三人が来ていいのかよ!?


「カイさん!俺らほんっとに金持ってないからねっ!?」

「だーかーら俺の奢りだって♪ここ、俺の知り合い経営してるから!」

「やっぱ俳優は顔広いなぁ~。雪花も連れて来たりすんの?」

「いや、雪花は別かな。バレたらマズイからさっ」


カイさんが切なそうに笑った。


ちょっと聞いちゃダメなこと聞いたかな……。


でもまたいつもの笑顔に戻って、俺らだけじゃ食いきれないほどの量を頼む。


「カイさんマジで太っ腹!俺もカイさんみたいになる!」

「ははっ!咲夜なら俺ぐらい越えれるだろ?てか、越えなきゃ!」

「カイさん。余裕見せてたらほんとに咲夜に抜かされるよ」

「いんだよ。そんくらいで来なきゃ!」


この人はどこまで、カッコイイ人なんだろ。