「すっげー……高そう…」
「俺、仕事でもこんなとこ来たことねぇ…」
個室の店内に、オシャレな照明。
ふわふわした座り心地いい黒のソファーに、どっかの国の置物。
いかにも高級焼き肉店!
こんなとこに制服着た高校生三人が来ていいのかよ!?
「カイさん!俺らほんっとに金持ってないからねっ!?」
「だーかーら俺の奢りだって♪ここ、俺の知り合い経営してるから!」
「やっぱ俳優は顔広いなぁ~。雪花も連れて来たりすんの?」
「いや、雪花は別かな。バレたらマズイからさっ」
カイさんが切なそうに笑った。
ちょっと聞いちゃダメなこと聞いたかな……。
でもまたいつもの笑顔に戻って、俺らだけじゃ食いきれないほどの量を頼む。
「カイさんマジで太っ腹!俺もカイさんみたいになる!」
「ははっ!咲夜なら俺ぐらい越えれるだろ?てか、越えなきゃ!」
「カイさん。余裕見せてたらほんとに咲夜に抜かされるよ」
「いんだよ。そんくらいで来なきゃ!」
この人はどこまで、カッコイイ人なんだろ。

