俺様の熟した恋の実~10years~




【涼雅side】



校内であちこちカップルがイチャつく今日は、ホワイトデー。


羽音にだけはお返しするつもり。


だけど俺だけずっと待たされたのは嫌だから、放課後まで秘密。


「もーほんとに俺って幸せ?みたいなっ♪」

「咲夜……朝からうるさすぎて頭ガンガンすっから黙れ…」

「だって~未空ちゃんとのペアリングだよ!?はぁー……作ってよかったぁ!」

「ペアリング、か。仕事ん時は外さなきゃだな」

「あ、忘れてた」


カッコイイことするくせに、どこか抜けてるモデル。


それが咲夜!


寝不足気味の俺には、今の咲夜が正直うるさい……。


「なぁ、羽音ちゃんにはあげねぇの?お返し」

「ちゃんとやるよ。今渡さないだけで」

「そんな焦らしたら可哀想じゃん!?」

「俺は自分だけが焦らされるのが好きじゃねーの」


だから、羽音にも少しだけ意地悪。


朝も会ったけど、お返し待ってるのバレバレ。