イタズラに時間が進むのが速くてもう放課後。
肌寒い玄関へ行くと既に待ってた涼雅。
「ごめんね……待たせちゃった」
「別に…。羽音んち連れてってくれんの?」
「うん、いいよ。涼雅が来たいなら」
「じゃあ行く。ほら……」
涼雅に差し出された右手に、あたしの左手を重ねた。
ママに内緒で初めてお泊まりする。
しかも、男の子と。
「あのさっ涼雅。あたしの家……男の人いないから着替えとかないけど…?」
「そうだろうと思って置きジャージ持って来た。体育で使ってねーし」
「ならよかった…。お泊まり何て中学生以来!」
「元カレ?」
「ううん。あたし涼雅が初めての彼氏だもん」
そう言ったら涼雅の頬が少し赤くなった。
夕日の空のせいじゃ、ないよね?

