俺様の熟した恋の実~10years~




イタズラに時間が進むのが速くてもう放課後。


肌寒い玄関へ行くと既に待ってた涼雅。


「ごめんね……待たせちゃった」

「別に…。羽音んち連れてってくれんの?」

「うん、いいよ。涼雅が来たいなら」

「じゃあ行く。ほら……」


涼雅に差し出された右手に、あたしの左手を重ねた。


ママに内緒で初めてお泊まりする。


しかも、男の子と。


「あのさっ涼雅。あたしの家……男の人いないから着替えとかないけど…?」

「そうだろうと思って置きジャージ持って来た。体育で使ってねーし」

「ならよかった…。お泊まり何て中学生以来!」

「元カレ?」

「ううん。あたし涼雅が初めての彼氏だもん」


そう言ったら涼雅の頬が少し赤くなった。


夕日の空のせいじゃ、ないよね?