あたしはポカーンとしたまま50番以内の張り紙を見る。
隣に涼雅が来て、腰に手を回してきた。
「心の準備……できてるよな?」
「やっ、やっぱり取り消し!」
「取り消しナシ。約束通りいい?あんま我慢させんな」
「うん……分かった…」
今日は金曜日。
それに、あたしの家はママが仕事で明日の夜まで帰って来ない。
なんで今日に限ってママ帰って来ないのよ!
「俺んち来る?あ……でもスズいるわ…」
「……今日ママ家にいない。明日の夜まで帰って来ないよ?」
「真っ直ぐ羽音んち行こっかな~」
「朝から変なことばっか考えないでよ!もう……」
「照れてかわいい……また帰りなっ♪」
一日中涼雅と一緒……。
そんなのあたし……ドキドキしてやってらんないよ!
でも、涼雅が頑張ったことは確かだし……
我慢させちゃったから……一つくらい言うこと聞いてあげないと。

