今は、椅子に座って、チームメイトと談笑している。 一声だけでも、かけていきたい。 「仕方ないわね。先に行って、いい席取っといてあげる。」 「千夏、ありがとう……!」 なんて優しい私の親友。 私の心は全部千夏に見透かされてる気がする。 千夏のこういう気遣いは、本当に上手いんだよね。 「すぐ行くから、お願いします。」 「了解。行ってきな。」 千夏に見送られて、私は涼の方に走った。 「涼。」 「玲奈?どうした?」 雰囲気を見たのか、涼の周りの男の子達が離れてくれる。 少し申し訳ない。