下には、階段。 やば、転ぶ……! だけどすぐにあたしの腕は誰かに掴まれた。 「う、わぁ……っ!」 「っ、大丈夫?」 聞き覚えのある声。 顔を上げると、黒縁メガネが見えた。 え……。 「……椎木、くん?」 「三枝だ。大丈夫か?」 顔をのぞき込まれて、思わず赤くなる。 「だだ、大丈夫……」 近い。近いよ椎木くん。