「何考えてたの?」



「えっ?……秘密だよ」



まさか流のことを考えてた、なんて言えない。



恥ずかしすぎるもん。



見つめられるとドキドキして、慌てて目を逸らす。



無造作にまとめられた黒髪に、
黒く澄んだ瞳。



綺麗な顔立ちはあたしを魅力する。




「秘密、っていい度胸だね、澪ちゃん」


「えっ…!?」




さっきまでの大人な雰囲気とは一変。



あたしの背中に回していた左手を腰に絡めて、右手であたしの頬を撫でた。




「……俺を焦らせたいの?」



「ちっ!違うよ!!」