駅前にある木を囲んだベンチに座っている俺の周りが、なんだか騒がしくなった。 ……なんだ? チラチラと行き交う女達が俺を見てる、のはいつものこと。 今はそれどころじゃなくて。 なにやら3人の男に囲まれている女が、1人。 「ちょっ、離してよ!」 あれってまさか……。 「アイツ……っ」 見覚えのある人物に、俺はベンチから身体を浮かせた。