「お前、マジでふざけんな」 ――ドカッ その場に違和感のある音に顔を上げると、 椎木くんが床に膝と手をついていた。 え、青葉まさか……まさか、殴ったの? 「お前なにすんだよ!」 赤くなった口元をおさえて 椎木くんが青葉をにらみつける。 これじゃケンカが始まりそう。 ……やめさせなきゃ。 「っあ、あの……っ」 「そんなの三枝が感じた痛みに比べたらどうってことねぇんだよ!」 体育館に響く青葉の声。 騒いでいたまわりもシンとなった。